新年あけましておめでとうございます。
本年もShall We Sing?をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨年最後の練習では、11月に続いて、団員で盲導犬ユーザーのHさんにお話しをして頂きました。
今回は、盲導犬がどのように育成されていくのか、ユーザーとしての視点もまじえてご説明頂きました。
盲導犬はどんな子でもなれるというものではなく、遺伝・血統も含めた資質が重要で、また人間と同じでそれぞれに性格があることが分かりました。さながらサラブレッドです。
印象的だったのは、「どんな性格が盲導犬に向いているか?」というお話。
利発、行動的、慎重、温厚…いろいろ考えられますが果たして…?
Hさんによれば、なんと「どこでも寝られる子」とのこと!
その心は、盲導犬の仕事では実際に「歩いている」時間よりも、ユーザーの仕事中や所用の際に「待っている」時間のほうが圧倒的に長いから。
待機時間をストレスなく過ごせることが大事なスキルというわけです。
これはユーザーの実感があればこそ感じられることだと思いました。
そんなHさんのお話をきいた翌日、12月18日(日)、亀岡市の関西盲導犬協会さんに、団員有志で見学に伺いました。
当日は寒波もあり雪もちらつきそうな天気でしたが、30名ほどの会場がいっぱいになりました。
見学会は、スライドとビデオによる説明、犬舎の「木香(もっか)テラス」の案内、訓練の実演の流れで進みました。
説明の中では、盲導犬の育成に掛かるリアルな費用のお話もありました。
盲導犬1頭を送り出すためには300万円~500万円が必要とのことですが、貸与先の自治体からの委託費用(=収入)はその半分に届かないそうです。
そのため寄付が事業継続にとって重要なファクターになっています。
「木香テラス」は、木のぬくもりと人の生活感のある空間で、犬舎・檻のイメージとはまったく異なる場所でした。
こちらは2016年に竣工した建物ですが、人と暮らす空間に盲導犬を慣らしていくことや、木造による湿度対策、災害時の避難導線なども考慮された、最新のコンセプトの施設でした。
訓練の実演では、今まさに修行中の盲導犬と訓練士さんのヤラセなし(笑)のデモンストレーションが行われました。
訓練といっても所謂“スパルタ教育”ではなく、人といることや盲導犬としての仕事が「楽しい」ということを前提として、遊ぶこと、ほめることを軸にしたプログラムになっています。
また、愛玩犬のしつけのようにアイコンタクトをしたり、大きな声で指示をするのではなく、視覚障害者の日常生活に溶け込みながら行動パターンを習得させていく工夫が随所にありました。
今回の見学は、初めての団員も複数回目のメンバーもいましたが、とても楽しく勉強になる場でした。
最後にコンサートの宣伝もさせて頂きました。関西盲導犬協会さんにこの場をお借りしてお礼申し上げます。
3月5日の第7回「盲導犬育成のためのチャリティーコンサート」では、演奏はもちろんですが、関西盲導犬協会さんにもお越し頂いてのプログラムを予定しています。
こちらのページをご参照頂き、お問い合わせ、ご来場頂けましたら幸いです。
https://shall-we-sing.sakura.ne.jp/top/20230305concert
ご覧頂きありがとうございました。
記:Shall We Sing? 団長・山下